ステートメント

  私は、人々のコミュニケーションの過程に焦点を当て「型」というものをキーワードにし、作品制作をしています。会話や食事、日常的なしぐさのような風習のなかには様々な「型」が在ります。例えば、挨拶をするとき日本人はお辞儀をします。これは頭を下げることで相手を敬う姿勢です。日本ではこのようなお辞儀がコミュニケーションを潤滑に進める為に行われる一つの行動様式、すなわち「型」として日常的に行われています。この様に、人が人と関わりを持とうとするとき、なにかしらの「型」というものが現れるのではないでしょうか。

 互いがけして同化できない他者同士である事を認めながら尚、他者と関係を持つ為に努力するその姿勢に人の「幸せ」が在るのではないかと、私は考えています。私が作品の中で求めるのは、他者同士のコミュニケーションが達成された後の幸福な風景ではなく、他者同士が関係を持とうと挑戦するその状態、過程です。私が制作の中で大切にしている「型」とは、人々が関わりを持つ為にお互いが「なにかになる努力をする」姿だと私は考えているのです。 

 

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